産経新聞より
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円安の「追い風」で、企業が今後の業績見通しを上方修正する動きが出てきた。自動車ではダイハツ工業、日野自動車、電機ではキヤノンやリコーが増収増益を見込み、売上高、利益とも過去最高となる企業もある。安倍晋三政権が掲げる大胆な金融緩和を柱とする経済政策「アベノミクス」の効果が、輸出企業などの業績に表れつつある。

 「想定よりも為替が円安に振れたことが大きい」。ダイハツ工業の入江誠上級執行役員は31日の決算会見で、25年3月期通期の業績見通しが売上高、利益とも過去最高となる理由についてこう述べた。国内で軽自動車販売が好調なのに加え、円安で販売が好調なインドネシアなどで売り上げが拡大した。

 自動車では、トラック大手の日野自動車も、円安の恩恵で最終利益が従来予想よりも90億円上乗せできるとみる。

 電機では、キヤノンが「円安は売上高で2029億円、営業利益で1092億円のプラス要因となる」(田中稔三副社長)として、25年12月期の業績が増益となる見込み。リコーも3月期通期の売上高、利益を上方修正した。東芝は3月期通期業績予想は据え置く一方、「円安になると半導体関係で利益が当然出てくる」(久保誠執行役専務)とし、上方修正に含みを残した。

 自動車、電機以外にも、上方修正の動きは広がる。日本たばこ産業(JT)は31日、海外売り上げが円換算で拡大したことなどで3月期通期の業績予想を上方修正した。同社の宮崎秀樹副社長は「円安がポジティブに働いている」と話す。

 一方で、ホンダは「欧州と中国で四輪車の販売が落ちた」(池史彦専務執行役員)ことで円安効果が打ち消され、上方修正を見送った。コマツも、海外市場の冷え込みで業績見通しを下方修正するなど、アベノミクス効果の本格化にはもう少し時間がかかりそうだ。

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文責:永池淳